阿佐谷英語塾難関大学受験 英語の勉強法英語の読み下げについて

英語の読み下げについて-英語学習サイトから引用


(2018.11.22 更新)

ある程度の長さを持った英文を読むときには
1 前から順番に読む
2 情報を大づかみにする
3 無理に日本語に直さない
ことを意識して,早くこの癖を身につけるようにしてください。しかし時々,「英語は日本語とは違い,後ろから前へ修飾する」とばかり聞かされたために,英文にぶつかったらとりあえず「真ん中後ろあたり」に視線をやってしまう人がいます。書いてあるのは英語なのに、強引に日本語の語順でしかも何となく当てずっぽうで後ろのほうから読もうとしているわけです。これは長文読解で伸び悩む原因になる悪い癖です。素直に左から右に読んでいくように改めましょう。

※箇条書きの部分はごく当たり前のことを言っているすぎませんが,問題は引用者,つまり私が下線を引いた部分です。とりあえず「真ん中後ろあたり」に視線をやってしまう,何となく当てずっぽうで後ろのほうから読もうとしている人など現実にいるのでしょうか。そういう人は読み下げるとか読み上げるとかいう以前に,英語の文構造も文法もほとんど分かっていない,つまり英語の基礎そのものがほとんど分かっていない人であり,筆者がこの前段で挙げた次の二つ目の例文は理解不能でしょう。

短い英文なら,基本的な文法と単語を知っていれば,ながめているだけで読めます。
The man was her father. → その人は彼女の父親だった。
簡単ですね。しかし,たまにいますが,返り点の打ってある漢文のように,あっちこっち移動しながら読もうとする人の場合,ちょっと長い英文になるともうわけがわからなくなってしまいます。
The man in a blue shirt who was reading a newspaper on the bench was, in fact, her father who had been missing for years.
こうなるとなかなか難物に見えます。しかし,実は形としては最初の文と同じで,ただ The man や her father にいろいろな飾りがくっついてごたごたしているだけなのです。下のように整理してみましょう。
The man (in a blue shirt) [who was reading a newspaper (on the bench)] was, (in fact,) her father [who had been missing (for years)].
左から右に,順番に読むときには,こんな感じです。→ その人は,(青いシャツで)[新聞を読んでいたが(ベンチの上で)],そいつは,(実は)彼女の父親だった[そして,それまで行方不明だった(何年も)]。

※一つ目の例文 The man was her father. を「その人は彼女の父親だった」と読んでいますが,この時点で,すでに英語のSVCという語順を無視して,日本語のSCVで読んでいるわけです。これが筆者の言う「情報を大づかみにする」ということなのかわかりませんが,「その 人は であった 彼女の 父親」(「その 人は 存在した 彼女の 父親 の状態で」) と一語一語英語の単語の順番通りに読んでいくという原理主義・教条主義よりはずっとまともです。
ところが,二番目の例文になると,(  )と[  ]を多用した実に見づらいものです。こうした記号を書き込んいくだけで相当な時間をロスするはずです。細かくスラッシュを入れていくのと同じです。しかも当てられている日本語はかなりずさんなものです。
もしかしたら対象は中学生かとも思いましたが,二つ目の関係詞節に過去完了進行形が用いられ,しかも [そして,それまで 行方不明 ...] と and を補っているのは,who の前にカンマがない非限定用法だということになり,対象は明らかに高校生以上でしょう。

※もし仮に括弧で括るとしても,私なら
The man in a blue shirt (who was reading a newspaper on the bench) was, in fact, her father (, who had been missing for years). と関係詞節だけにします。英文を左から右へと読みながら,なおかつなるべく大きな意味の固まりで捉えていくためです。筆者も,括弧で括らなくても読めるようになるのが目標だとしていますが,私は基本的に初めから括弧に入れたり,スラッシュを入れたりせずに読むように生徒を指導しています。高校の授業等でそれが癖になっている生徒に無理に止めさせることはしませんが。教える側が完全に読み取れていれば,生徒は,自分の今の力を相当に超えた英文であっても理解できるものです。学参書や学習サイトの場合には正確で明快な解説を付すことがこれに当たります。この程度の長さと構造の英文であれば,読み下げと,センテンス全体をひとまとまりに捉えることは不即付離の関係にあると言ってよいでしょう。
なお筆者が (  ) で括っている ... was, (in fact,) her father [who was ...] の部分は,正しくは ... was (,in fact,) her father [, who was ...] ですが,これはケアレス・ミスでしょう。

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